【永久保存版】海で気をつけるべき危険な海洋生物まとめ【魚類編】
ダイビング目線強めでお届けして行きますが、ここでは海で気をつけるべき危険な海洋生物をご紹介していきます。
応急処置の方法は毒の種類や外傷の程度によっても違います。
知っているとすぐに対処できるので、危険から身を守るためにも知識として知っておくことが大事です。
まずは魚類から!
オニダルマオコゼ
魚界で1、2を争う最強レベルの猛毒
オニオコゼの仲間は鰭に強力な毒の棘があり、特にオニダルマオコゼは魚界で1、2を争う最強レベルの猛毒を持っていて、浅瀬でうっかり踏んでしまい亡くなったと言うケースもあります。
和歌山県以南の太平洋岸の浅海域のサンゴ礁と岩礁の砂泥底に生息しています。オニダルマオコゼから襲ってくることはまずありませんが、砂中に潜みじっとしていて、見た目も岩にそっくりで気付きにくいので、要注意です。
実は食べたらとってもおいしい超高級魚です。
【対応策】
ダイビングの際は無闇に色々触らないことが一番の安全策です。
ビーチサンダルやダイビングシューズは貫通してしまいますが、素足で刺された場合より明らかに毒量は減ります。磯遊びなどをするときはフェルト底のブーツだと棘が貫通しません。
【応急処置】
①直ぐに海から上がる
②傷口から慎重に棘を取り除き、毒素を絞り出して真水で洗い流す
③刺された所を約45℃のお湯に60分前後つけて毒素を中和する
④抗生物質の軟膏を塗り、氷で冷やして痛みを和らげる
⑤早急に医療施設へ
タンパク質の毒なので、熱すると卵の白身が固まる要領で、熱いお湯に患部を浸けると、タンパク質が固まり治りが早いようです。
ゴマモンガラ
繁殖期は超凶暴、サメより怖いやつ!
ダイバーにはサメより怖いことで有名な魚です。繁殖期ではないときは攻撃されることは特に無いのですが、繁殖期だとマジで危険!相手がどんなに大きくても敵とみなされたら、卵を守る雌がかなり執拗に襲ってきます。これはゴマモンガラさんはじめモンガラカワハギ科に共通する習性です。
特にゴマモンガラさんは歯がものすごく強く、ウエットスーツが貫通してしまうほど。
見かけたら近寄らずに逃げましょう!
やたらと逃げまどうのではなく、縄張りを出るように横方向に一直線に逃げましょう。
ちなみに雄は巣を守っているそうで、外敵を追っ払う役目は雌のようです。
【対応策】
普段は向こうから襲ってきませんが、繁殖期には砂地にすり鉢状の巣を作り、巣や卵を守るため攻撃的な性格が顕著になります。6~8月の繁殖期には見かけたら近づかないようにしましょう。
【応急処置】
①傷口を水道水で洗い消毒する
②止血をする
③止血しても落ち着かなく、傷がひどい場合には病院に行く
ダツ
光に反応して突進してくる!
英語ではNeedle fishと呼ばれ、口先が細く長く尖っているのが特徴です。両顎はわずかに湾曲し、顎にはギザギザした歯があります。
小魚の鱗に反射する光に敏感に反応する習性があり、時速60kmから70kmで突進してきます。
ダツが人体に突き刺さって死傷する事故も発生しています。刺さるとえぐるように体を回転させる習性があり、傷が広がってさらにケガを悪化させることも知られています。
【対応策】
太陽の光に反射するようなアクセサリーをつけて海に入らない。
水面近くを泳いでいるので、ライトで水面を照らさない。
[ナイトダビング中]
水面にいる時に、水面と並行方向ににライトを照らさない。
水中から水面方向にライトを照らさない。
【応急処置】
ダツが刺さった時はむやみに抜くと出血多量に陥り命に関わる場合があるので、その場で殺してしまって、抜かずに刺さったままの状態で病院に向かってください。
アカエイ
浅瀬の砂の中に隠れているので注意が必要
エイの仲間のほとんどはおとなしくダイバーを襲う事はないですが、尾の付け根近くにナイフのような棘があります。アカエイは特に強い神経毒を持ち、刺さると抜けにくい「返し」がある構造をしているので特に注意です。
ダイビング中、海底の砂地に潜んだエイを間違って踏んで刺されることがあるようです。
【対策】
エイに近づかない、誤って踏まない。
もし砂底を歩く際は、すり足で移動すると、エイも気付いて逃げていく。
【応急処置】
①毒針が残っている場合は慎重に取り除き、毒素を絞り出して真水で洗い流す
②刺された所を約45℃のお湯に60分前後つけて毒素を中和する
③抗生物質の軟膏を塗り、氷で冷やして痛みを和らげる
④早急に医療施設へ
タンパク質の毒なので、熱すると卵の白身が固まる要領で、熱いお湯に患部を浸けると、タンパク質が固まり治りが早いようです。
オニカサゴ
岩にそっくりすぎる
オニオコゼ同様で鰭に毒があります。向こうから襲ってくることはまずないですが、岩だと思って掴んだらオニカサゴだったというようなケースはあるようです。
たいていはダイバーが岩に手や足を着く前に、オニカサゴが先に岩の上から隠れるように逃げ出していきますが、必ず逃げてくれるとは限らないので気をつけましょう。保護色で岩の上や中で擬態していることが多いので、うかつに岩に手をつかないように注意です。
どうしても手をつかなくてはいけない場合は、まず岩を手で扇ぐとオニカサゴがいる場合は逃げてくれるようです。
【対応策】
周りをよく見る。
岩などにむやみに手を置かない。
【応急処置】
①傷口から慎重にトゲを取り除き、毒素を絞り出して真水で洗い流す
②刺された所を約45℃のお湯に60分前後つけて毒素を中和する
③抗生物質の軟膏を塗り、氷で冷やして痛みを和らげる
④早急に医療施設へ
タンパク質の毒なので、熱すると卵の白身が固まる要領で、熱いお湯に患部を浸けると、タンパク質が固まり治りが早いようです。
ウツボ
噛まれると危険
毒は持ってないのですが、歯が鋭くて顎が強いので噛まれると容易に外すことができません。無理に引くと傷口から大出血する恐れがあるので注意が必要です。ウツボの歯は鋭い切れ味が特徴で、且つ口の奥側に向かって生えているため、咬まれた場合に深い傷を負う可能性が高いです。雑菌を持つので、破傷風にかかる恐れもあります。
海のギャングと呼ばれたりもしますが、実は臆病な性格で、岩穴に潜んで生活しています。
ウツボに噛まれたという場合のほとんどが、何気なく岩に手や足をついた際、ちょうど近くにウツボの巣があった、というのが原因のようです。
【対策】
周りをよく見る。
岩などにむやみに手を置かない。
【応急処置】
①傷口をよく真水で洗浄し、清潔なガーゼやタオルで圧迫止血する
②止血できない場合は傷口より心臓に近い所を紐などで縛る
③消毒用アルコールなどで消毒する
④早急に医療施設へ
ミノカサゴ
気をつけてたら大丈夫
ミノカサゴさんはフサカサゴ科のお魚ですが、フサカサゴ科はみんな背鰭、腹鰭、尾鰭に毒腺のある棘があります。
ミノカサゴにダイビング中に刺されてしまうことは考えづらいですが、写真を撮ったりするのに夢中になり、執拗に追いかけたりすると人が相手でも向かってくることがあるようです。
夜行性なので、ナイトダイビングでは多く出現します。
【対策】
周りをよく見る。
執拗に追い回さない。
【応急処置】
①傷口から慎重に棘を取り除き、毒素を絞り出して真水で洗い流す
②刺された所を約45℃のお湯に60分前後つけて毒素を中和する
③抗生物質の軟膏を塗り、氷で冷やして痛みを和らげる
④早急に医療施設へ
タンパク質の毒なので、熱すると卵の白身が固まる要領で、熱いお湯に患部を浸けると、タンパク質が固まり治りが早いようです。
ゴンズイ
ゴンズイの毒は死んでいても消えない
ダイビング中にゴンズイに襲われることはまずないです。
浅い岩礁や砂地の浅い海に生息しています。集団で行動する習性があり、「ゴンズイ玉」と呼ばれる塊のような群れをつくります。
体は鱗がなく、ヌルヌルした体表粘液に覆われていますがこの粘液と、胸鰭と背鰭に毒があります。背鰭と胸鰭の第一棘条には毒棘(どくきょく)という高分子たんぱく毒を持つ棘があり、刺されると焼けつくような激痛に襲われます。
夜行性で夜釣りなどで釣れるため、よく確認せずに触って刺されたり、死んだゴンズイを知らずに踏んでしまうことが多いようです。
【対策】
ダイビングで襲われることはまずないが、近づかないのが一番。
夜釣りの際はゴンズイの他にも毒がある棘を持っている魚がいるので、よく確認する。
【応急処置】
①傷口から慎重に棘を取り除き、毒素を絞り出して真水で洗い流す
②刺された所を約45℃のお湯に60分前後つけて毒素を中和する
③抗生物質の軟膏を塗り、氷で冷やして痛みを和らげる
④早急に医療施設へ
タンパク質の毒なので、熱すると卵の白身が固まる要領で、熱いお湯に患部を浸けると、タンパク質が固まり治りが早いようです。
ハオコゼ
釣りでは外道として扱われる小さい魚
成魚でも体長10〜12cm程度の小さなお魚です。
防波堤や磯釣りなどでも他の魚に混じって釣れることも多く、海水浴場など潮が引いた潮溜まりにの岩に潜んでいることがあります。
背鰭に13~14本、臀鰭に3本、腹鰭に2本の毒棘があり、刺されると激しく痛みます。小型のオコゼ・カサゴ類は海藻の中に紛れていることがあり、気付かずに触わって刺されることがあります。イソカサゴは岩の裏に隠れていることが多いので、不用意に岩陰に手を入れると危険です。
【対応策】
絶対に素手で触らない
磯遊びをする場合はフェルト底のマリンブーツなどを着用する
釣りなどで釣れた場合は素手で触らず、必ず魚バサミで毒棘、鰭を切る
魚つかみ器やペンチ等器具を用い、触れないように針から外す
【応急処置】
①傷口から慎重に棘を取り除き、毒素を絞り出して真水で洗い流す
②刺された所を約45℃のお湯に60分前後つけて毒素を中和する
③抗生物質の軟膏を塗り、氷で冷やして痛みを和らげる
④早急に医療施設へ
タンパク質の毒なので、熱すると卵の白身が固まる要領で、熱いお湯に患部を浸けると、タンパク質が固まり治りが早いようです。
アイゴ
西日本では釣り人に人気のお魚
アイゴの仲間には背鰭に13本、臀鰭に7本の毒棘があり、釣り上げたものを針から外すときなどに刺されると危険です。
ダイビングなどで刺されることはないと思われますが、追いかけると岩陰・サンゴの裏などに隠れる性質があるので、サンゴや岩の裏に手を入れた時に絶対に刺されないとは言い切れません。
【対応策】
絶対に素手で触らない
釣りなどで釣れた場合は素手で触らず、必ず魚バサミで毒棘、鰭を切る
魚つかみ器やペンチ等器具を用い、触れないように針から外す
【応急処置】
①傷口から慎重に棘を取り除き、毒素を絞り出して真水で洗い流す
②刺された所を約45℃のお湯に60分前後つけて毒素を中和する
③抗生物質の軟膏を塗り、氷で冷やして痛みを和らげる
④早急に医療施設へ
タンパク質の毒なので、熱すると卵の白身が固まる要領で、熱いお湯に患部を浸けると、タンパク質が固まり治りが早いようです。
傷口をきれいな真水で洗ったら40~50度のお湯につける。60~90分。この時、お湯が熱すぎて火傷を起こすことがあるので、漬ける前に刺されていない方の指で温度を確かめること。これで痛み、血管収縮は防ぐことができるが痛みがとれたら必ず病院へ行くこと。病院でレントゲンを撮ってもらい、内部に刺が残っていないか確認する。激痛がとれないようなら局所麻酔などを打ってもらう。
ホホジロザメ
映画ジョーズのモデル
日本ではダイビング中のサメによる事故報告はほとんどありません。しかしサーフィンの最中や、貝などの漁で潜水しているとき、海水浴場での遊泳中に襲われる場合や南太平洋では事故が起きているようです。
空腹でない限りは何も襲わず、こちらから危害を加えなければ何もしてこないと考えられています。ホホジロザメが人を襲う理由は、ホホジロザメの獲物がアザラシやオットセイなどの海生哺乳類が多く、サーフィン板等の上で腹ばいになってパドリングする人間の動きや、ウェットスーツを着て足ヒレを動かす姿が、サメからはアザラシのシルエットと同じに見えるためだと考えられています。
同じサメでも、ネムリブカやシロワニなどは穏和な性格なので、必要以上に警戒することもないサメもいます。
【対応策】
- 目撃情報や生息情報のある危険海域に近づかない。
- 光を反射するアクセサリーや飾りの付いた水着の着用は避ける。
これは釣りに使われるルアーと同じく、鮫を誘き寄せてしまう効果がある。 - 色の明暗がある水着やサーフボードを利用する。
黒と白の縞模様など、なるべく明るい色の入ったものが望ましい。
鮫は明暗が分かるので、アザラシなどと勘違いされることを避けることができるとされている。 - 海中での排尿・排便を避け、怪我や月経による出血がある場合は泳がない。
鮫は嗅覚がとても優れているので、臭いに寄って来る可能性がある。
【応急処置】
①止血処理を行いショック状態を防ぐ
②早急に医療施設へ
次の記事では魚類以外の危険な海洋生物を紹介していきます!
奄美群島の固有種!ホシレンコさん
和名 | ホシレンコ |
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学名 | Amamiichthys matsubarai |
分類 | スズキ目 - スズキ亜目 - タイ科 - アマミヒチス属 |
分布 | 【固有種】奄美諸島近海 |
生息環境 | 沖合の水深50~200mの低層に生息 |
体長 | 最大60cm |
その他 | 歯は円錐歯のみであり、体色は薄い桃色で、体側には青色の円斑が散在する。背鰭前方の数棘は糸状に伸びる。側線上方の背鰭棘条部中央下横列鱗数は5.5~6.5枚で側線鱗数は60~61枚であることなどが特徴。甲殻類、多毛類、軟体動物などを食べるものと思われる。 |
和名の由来は
体側には青色の円斑が散在していて「星のように見える斑紋模様があるレンコダイ」ということでホシレンコとなったそうです。
レンコダイはキダイの別名で、黄色いヒレを持つ特徴がホシレンコと似ているため、名前の中にレンコダイの「レンコ」が含まれているようです。
レンコダイの「レンコ」は、延縄漁で連なって漁獲される様子から連子(レンコ)と呼ばれているそうです。
ちなみに元々の学名はセナガキダイ属のCheimerius matsubaraiでしたが、2015年にタイ科の中にAmamiichthys Tanaka and Iwatsuki, 2015を新属として設立され、Amamiichthys matsubaraiに変更されました。
なお、「matsubarai」は魚類学者である松原喜代松さんの名前からきているようです。
アマミヒチス属は今のところホシレンコさんのみ所属しています。
絶滅危急種です
生息地が奄美群島近海のみであるということが原因の一つです。
奄美大島の10か所未満の場所で成魚の数が減少し続けていると思われますが、漁業による生息数の大幅な減少の兆候はないようです。
生息する水深が深めなのが減少の速度を緩めてくれているのではないかと思われています。現時点で種固有の保護対策は特にされていないようです。
キビレアカレンコと一緒に釣れるようです。
縁起がいい魚
ホシレンコさんもタイの仲間で、奄美では体側の星模様が現れることから星の模様が表れる事から祝いの席には欠かせない高級魚でもあります。
希少なので市場に出回ることも少ないようです。
皮に甘味があるので、皮を生かした調理があっているようです。
英語名はHoshirenko
奄美群島近海にしか生息しておらず、日本の学者さんが発見したということもあり、英語でもHoshirenkoとそのまま呼ばれます。
一応分類上付けられた英語名もあり、Japanese blue-spotted seabream(日本の青い斑点のあるタイの意味)と呼ばれます。
中国語名は松原冬鲷
松原冬鲷(sōng yuán dōng diāo)と読みます。松原は発見した学者さんの苗字ですね。冬鲷は調べてみたところ、キダイの意味のようです。
食べると尻から油が出る?アブラボウズさん
和名 | アブラボウズ |
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学名 | Erilepis zonifer |
分類 | スズキ目 - ギンダラ科 - アブラボウズ属 |
分布 | 北太平洋:日本とベーリング海から米国カリフォルニア州モントレーベイまで |
生息環境 | 幼魚は表層に漂っている流れ藻などについて生活しているが、成長とともに深場に移動し、成魚は水深200~400m程の岩場などに生息。しかし、水深680m程のところでも見られるほか、伊豆大島では水深約1000m程の深さにも生息していると言われており、垂直方向の生息域はかなり広い。 |
体長 | 最大体長183cm、最大体重91kg |
その他 | 肉食性で、群れで生活し、魚類や甲殻類、軟体動物などを食べるアブラボウズは深海延縄や底引き網などで獲られ、食用に利用されている。旬は冬期と言われているが、名前は、深海性のため脂肪分が多いことから付けられていて、多量に食べると脂分を消化しきれず、下痢や腹痛などを起こすこともあるので注意が必要。 |
和名の由来は?
漢字で書くと「油坊主」「脂坊主」。 字のごとく多くの油(脂)を含んでいることが由来です。
深海魚であるアブラボウズさんは深海の水圧に体が押しつぶされないように、浮き袋を持持っていません。その代わりに、体内にワックス(多量の油分)を蓄えて水圧から耐えています。
日本ではいろんな場所で釣れるお魚で、いろいろな地方名で呼ばれます。その中でも有名なのが「オシツケ」という名前です。
この名前の由来は、昔アブラボウズさんの料理を毒見する毒見役達が料理をお互いに押し付けあった様に起源があるとされています。面白いですね。
ちなみに、ワックスは垂直移動の激しい魚に多いといわれているそうです。
若魚は体色は暗い灰色ベースで体表に白い斑点を持っていますが、成熟すると斑点は消えて、濃い灰色の魚体になります。
静岡の沼津港深海水族館で生きているアブラボウズさんをみました。
体脂肪率約40%の超メタボ
筋肉の脂質含量が約40〜50%(腹部では50%近く)にもなるのですが、その脂肪はトリグリセリドと呼ばれる脂質で、いわゆる中性脂肪です。
トリグリセリドを構成する脂肪酸は、高度不飽和脂肪酸が多い一般の魚類とは異なり、大部分がオレイン酸で植物油に近く、栄養価も高く毒性はないと言われています。
この油自体は有毒ではありませんが、この脂質を分解できない人は脂を消化できず、お腹を壊して下痢になってしまいますので、コレステロール値や中性脂肪が心配な方は、摂取を控えたほうが良さそうです。
なんと厚生労働省のページには「アブラボウズは肉は美味であるが、食べると肛門から油が滲み出るといわれている。」とあります。
食べすぎると消化不良を起こしたりするので、食べられる量は一食につき刺身の場合は60g(刺身は一枚でおおよそ10gから20g程度なので3切れ程度)、加熱調理されているもので120gまでが良いとされています。
ただし肝臓は食べないこと!良識的な範囲で食べるかぎり安全な魚とされています。
クエには及ばないが高級魚
クエはには及ばないものの、アブラボウズさんも高級魚として知られています。超高級魚とされるクエに外観が似ていることから、偽装事件もあったようです。
クエの好まれる理由は淡白で味わい深い白身にあり、一方、アブラボウズは脂の乗った甘みのある白身にあります。似てるのは見た目だけで、味は違います(笑)
大型魚なので、水揚げ後肝臓などを取り除いた後、2・3日寝かせてからが食べ頃なんだそうです。 調理法は一般的な白身魚と同様に煮付け、焼物、揚げ物、刺身などがいいようです。
食べ方については、こちらに詳しく載ってますのでどうぞ。
釣り方は?
太平洋側なら日本の至る所で釣れるようです。
釣る地域によっても仕掛けは変わってくると思いますが、基本釣法は底たたきという方法だそうです。
英語名はSkilfish
Skilfishはこの単語一言でアブラボウズの意味になります。
中国語名は白斑裸盖鱼
白斑裸盖鱼(bái bān luǒ gài yú)と読みます。白斑は白い版のある、裸盖鱼は銀鱈の意味です。ちなみに中国では銀鱈のことはスーパーなどでは裸盖鱼とは呼ばず、银鳕鱼(yín xuě yú)と呼んでいます。
その他、色んな国での呼び名はこちらをどうぞ!
Common Names List - Erilepis zonifer
味を感じながら6足歩行する!ホウボウさん
和名 | ホウボウ |
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学名 | Chelidonichthys spinosus |
分類 | スズキ目 - ホウボウ科 - ホウボウ属 |
分布 | 北海道以南、南日本、八丈島;朝鮮半島、中国 |
生息環境 | 水深25〜600mの泥底、砂泥底、貝殻まじりの砂泥底に生息。本種は20m以深に多く、伊豆では冬季に多く観察される。吻に突起がなく、体の下半部は白色。背鰭、尾鰭に赤色斑。幼魚は黒く、5cm程で胸びれの模様が出てくる。 |
体長 | 最大40cm、最大体重950g |
その他 | ホウボウ科の魚は胸鰭の下部3軟条が遊離し、指状の動きをして砂地を歩くように移動する。その先端には味蕾と呼ばれる感覚器があり、これで砂中の餌を探す。肉食性でエビ類、カニ類、シャコ類、底生性の小魚などを捕食する。胸びれに種独特の模様をもち、近づくとこれを広げ、威嚇するので見分けやすい。繁殖期は春で、プランクトンのような浮遊する卵を生む。孵化した幼魚も浮遊しながら生活するが次第に海底で生活するようになる。 |
和名の由来は
ホウボウは漢字で書くと「魴鮄」「方帽」「竹麦魚」と書きます。
由来にはいくつかの説があるので、まとめてみました。
- 胸鰭の一部が足のように変化した軟条3対で、砂泥底を這うように移動する姿から、「這ふ(ハフ)這ふ(ハフ)」が転じた説
- 地を這って方々(ホウボウ)に歩き回るからという説
- 丈夫な浮き袋の発音筋を震わせて出す音が、「ホオブオ」と聞えるから、またはほうぼうに響き渡るほどだからという説
- 頭部が角ばっていて、「方頭魚(カナガシラ)」を髣髴させることから、「魴鮄」と書いて読ませたとする説
また、漢字表記「竹麦魚」についてですが、「竹麦」は漢語にも見当たらないので、当て字だと考えられています。「竹」は吹き鳴らす笛、または胸鰭を水平方向に広げる様を「竹蜻蛉(竹とんぼ)」に見立てたかと考えられます。「麦」は、体の暗赤色か、海底に根を張る意か、季節に由来するという説があります。
お食い初めのお魚でもあります
祝い魚として昔から赤い色のお魚は欠かせないものとなっています。
ホウボウさんな水深600mぐらいまでの内湾の砂泥底に生息していますが、赤い光が水深が深い場所には届かず、赤が保護色になるので、鮮やかな赤い体色をしています。
ホウボウは、頭が固く、浮き袋を震わせて音を出すので、「頭の骨が固くなるように」とか、「夜泣きをしないように」との願いを込めて、昔から赤ん坊のお食い初めや箸初めに用いられてきました。ヒレのトゲが鋭いので、喉に骨やトゲが刺さらないように、ともいわれています。
味を感じる鰭がある!
お魚は口はもちろんのこと、それ以外でも味を感じる事が出来ます。味を感じる味蕾(味を感じる感覚器官)は、口腔、鰓腔、食道、口唇、体表、鰭など様々な部位に分布しています。
ホウボウ科のお魚の特徴は足のように変化した胸びれの軟条3対(胸鰭遊離軟条)に味蕾と呼ばれる呼ばれる味を感知する器官があります。
この味蕾のついた軟条3対は足のように地を這って歩く、砂の中に隠れた餌を探し出すという働きがあります。
お魚の味覚について
淡水に棲むコイはショ糖(甘味)、塩(塩味)、キニーネ(苦味)、酢酸(酸味)によく反応します。また、人間の唾液、ミルク、ミミズやサナギの抽出物にもよく反応します。海水魚については塩味、苦味、甘味にたいして反応が弱く、アミノ酸と核酸関連物質によく反応することがわかっています。
とても綺麗な色の胸鰭の役割
ホウボウの胸鰭はとても鮮やかな青緑色で、青の縁取りと斑点に彩られています。ダイビングの際にみたことがありますが、本当に綺麗な色をしています。
普段は畳んでいる胸鰭ですが、この胸鰭を広げ水中をグライダーのように飛ぶように泳ぎます。
これは外敵に襲われそうになると、胸鰭を大きく広げ自分を大きく見せようとする意味もありますが、鮮やかな色を見せるフラッシングという行動で、相手を驚かせているのです。
ルアーで釣れます
船釣りや鯛ラバという仕掛けで釣ることができるようです。ホウボウさんは砂泥底を這うようにして生活しているので、海底を小突くようにするといいそうです。
お味は絶品
お刺身やお寿司、煮物が向いているそうで、生食にする場合は産卵前の秋から春にかけてとても脂がのっていて味がいいそうです。是非食べてみたいですね。
英語名はSpiny red gurnard
Spinyは棘(針)のある、redは赤い、gurnardはホウボウという意味になります。
棘らしい棘は特にないのですが、おそらく足のように発達した胸鰭が棘っぽいとか、頭部や吻の部分にある棘状の突起などが、トゲトゲした感じを印象付けているのかもしれません。
中国語名は小银绿鳍鱼
小银绿鳍鱼(xiǎo yín lǜ qí yú)と読みます。小さいシルバーグリーンの鰭がある魚の意味です。特徴的な胸びれの模様から名付けられているようです。
その他、色んな国での呼び名はこちらをどうぞ!
Common Names List - Chelidonichthys spinosus
【その2 完結】上海で最大の水族館、上海海昌海洋公園に行ってきた!
その1はこちらからどうぞ!
さて、気になる園内は?
入園後アトラクションエリアを通り抜けたら、南極ペンギン館です。
ここでは皇帝ペンギンなどペンギンさんたちがお出迎えです。
身長はドラえもんぐらい(129.3cm)でした。
ちなみに、ペンギンを見ながらご飯を食べられるレストランがあったり、水槽の下からもペンギンが見れたりします。
南極ペンギン館の他には、火山サメ館、海獣探秘館、氷山北極館、海底世界館、サンゴクラゲ館に分かれています。
南極館と北極館には南極点と北極点を模したオブジェがあり、インスタではあんまり映えませんが、行った気分の写真が撮れます。
海獣探秘館のアザラシ
ゴマアザラシのこの子に首ったけになってしまいました。しゃっくりをしているようにも見えるけど、お腹ポンポンする姿は食後のわたしのようで、とても親近感が持てます。
海底世界館のトンネル
ここで見た魚で覚えているのは、マダラエイとアオウミガメ、コガネシマアジさんの幼魚の群れや体験ダイビングの皆さんでした。
他にも大きな水槽が
美ら海水族館ほどではないですが、大きな水槽展示がいろいろあります。
なぜか一つだけ淡水魚の水槽があり、アロワナなどを見ながらご飯を頂けます。(写真一番右が淡水魚の水槽レストラン。)
お金にものを言わすといろいろできます
先程の体験ダイビングもそうですが、お金にものを言わすと触れ合うことができます。
イルカは大人と子ども1人づつで299元、大人2人子ども1人で399元。
ベルーガはいくらだったか忘れました…。
まぁ、払ったお金がこの子たちの飼育などに使われるのだと思えば、全然OKですね。
(ちなみに上海海昌海洋公園は自閉症の子どもたちの支援活動もやっているそうです)
園内のご飯は?
あんまりお腹が減ってなかったので、ホットドッグのセットにしました。
お味はというと…食べれないことはないけど、ソーセージが中国風味(笑)
ペンギンレストラン、淡水魚レストランなどもありますが、安心安定のバーガーキングと上海には何軒かあるPizza Marzanoが入っていますので、中華風味が不安な場合はそバーキンとピザ屋に行くことをお勧めします!
最後に行き方!
行き方を書き忘れてました!
地下鉄16号線 临港大道站が最寄駅のようですが、駅からとても歩ける距離ではありません。駅から降りたらタクシーか快车をアプリで呼んで行くことをお勧めします。
タクシーよりも快车の方が早く来る傾向にありました。
また、帰りは客引きの白タクが多いので、アプリで快车を呼んだ方が安全です。
【その1】上海で最大の水族館、上海海昌海洋公園に行ってきた!
暑い夏、少しでも海を近くに感じたいと思い、上海で最大の水族館、上海海昌海洋公园に行ってきました!
入り口では海洋公園のシンボルであるシャチのオブジェと噴水が出迎えてくれます。
上海海昌海洋公園
上海市浦东新区银飞路166号
+86-400-601-6699
09:30-20:00(入園は19:00まで)
チケットの買い方
外国人の場合は、下記の方法でチケット購入可能です。
- 現地のチケットオフィスで買う
- 大众点评のアプリで買う
中国の人はほぼCrtripや大众点评でオンラインチケットを買っているので、直接チケットオフィスに並んでも、あまり並ばないのですぐに購入できます。チケット購入の際はパスポートが必要になりますので、お忘れなく。
大众点评のアプリの場合は、アプリを開いて「上海海昌海洋公园」で検索すると「护照/港澳台通行证专享成人票」「护照/港澳台通行证专享儿童票」で通常料金のチケットが購入できます。
大众点评でオンラインチケット購入した場合は、「商家券码」とパスポートで入園可能です。
チケットの値段は
外国人は値引きなしの通常料金で大人:360元、子供:240元になります。
現地で買ったチケットにはペンギンとイルカのキャラクターが印刷されていました。
ガイドマップ
入場口の手前には、大きいスーツケースなど預かってくれるところがあったり、バーガーキングがあったりします。
園内は建物ごとにテーマがあるようです。入るとすぐジェットコースターのレールが見えてきます。
お魚さんだけでなく海で生活する動物や、ジェットコースター、ロープウェイ、急流下り、メリーゴーランド、4Dムービーなど子供さんが楽しめるアトラクションもあります。
そのた、アシカとセイウチのショー、ベルーガのショー、イルカのショー、一番目玉のシャチのショーもやってます。
特にシャチのショーは必見!
友人曰く、南紀白浜アドベンチャーワールドと同じ構成だって言ってましたが(笑)
シャチのショー以外は室内なので、涼しい環境でみることができます。
ちなみに園内マップやアトラクションの混み具合、ショーの時間などはスマホで見れるようになっていて、こちらのQRコードをWechatで読み込むと表示されます。
表示は遅いですが、これがあるとショーの計画など、行動計画が立て易くなります😊
次の記事では、園内の施設や行き方を綴っていこうと思います!
実は絶滅危急種!カンムリブダイさん
和名 | カンムリブダイ |
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学名 | Bolbometopon muricatum |
分類 | スズキ目 - ベラ亜目 - ブダイ科 - カンムリブダイ属 |
分布 | 八重山諸島;インド・太平洋 |
生息環境 | サンゴ礁域に生息。群れをなしてサンゴ礁外縁部を泳ぐ。 |
体長 | 最大130 cm、一般70cm、最大体重46kg |
その他 | ブダイ科で生きたサンゴを食べることが知られているのは、本種のみ。群れをなしていっせいにサンゴをかじる時にはゴツゴツと音が聞こえる。ブダイ科の魚は、歯が嘴状になることが特徴。体色は雌雄、老幼差があるものが多く、雌から雄へ性転換する。主として付着藻類を市サンゴもろともかじりとる種が多く、海藻色の種もいる。 |
和名の由来は?
カンムリブダイの特徴といえば、大きく前に突き出た額。その額が冠(かんむり)の由来と言われています。
絶滅危急種です
サイズが大きくて、成長が遅く、群れでの行動は、乱獲の影響を受けやすいことを意味しています。
夜寝ている大集団を狙うスピアフィッシングや網による漁で過剰採取が行われていました。また、サンゴ礁の喪失と生息地の減少が衰退を加速させています。
各国の対応
アメリカ領サモア諸島では2001年にスキューバダイビング中のスピアフィッシングが禁止され、アメリカの領土または管理下にあるウェーク島・ジョンストン島・パルミラ環礁においては、海岸線から91mの範囲を低利用海洋保護区と定め、アメリカ国籍の人がカンムリブダイを捕獲などするには特別な許可が必要です。
また、これらの地域周辺の米国の排他的経済水域では、午後6時から午前6時まで、スキューバ器材を使用してスピアフィッシング漁を行うことが禁止されています。
パラオのカンムリブダイの個体数は現在、輸出禁止によって保護されています。
幼魚は頭が突き出てない!
成魚の体色は雌雄差がなく、薄い暗緑色です。雌の方がおでこの出っ張りが控えめで、雌から雄に性転換します。
この下は幼魚の写真なんですけど、頭が突き出てない上に体色も違います。
黒と白のゴマを振ったみたいな模様ですね。
頭をぶつけてご飯を食べる
カンムリブダイは珊瑚を食べやすくするために、頭の突き出た部分で珊瑚に激突することが知られています。これも有名ですが、海岸の珊瑚質の白い砂はカンムリブダイの排泄物なんです!
また、ご飯を食べる時以外も、雄同士が自分のテリトリーを守るために、頭をぶつけ合うことが近年わかっています。
産卵は新月とともに
新月前の早朝、満潮から下潮に変わるタイミングで一斉産卵放精を行います。
パラオが有名のようですが、雄雌合わせて数千匹集まる光景は圧巻です。(私はまだみたことないですが💦)
なぜ新月前のそのタイミングなのかというと、珊瑚の周辺は捕食者が多く、危険が多いので、産みたての卵や生まれたての稚魚を珊瑚からなるべく遠くに引き離してくれるためと考えられています。
「レック・システム」と呼ばれる求愛行動
海底近くの決まった狭い領域に雄が集まり、十匹~数百匹の雌がやってくるのを待ち、雌が近くを通ると雄は体の色を変え、雌の目の前で激しく短い求愛のダンスを始めます。
気に入った雄を見つけると、雌はその雄に近づき顔の色を白く変化させます。それが合図となり、2匹は近づき、雌は放卵し雄がそれに放精します。その後、2匹は別々の方向に泳ぎ去っていきます。
乱獲気味でレアですが食べられます
沖縄県では比較的とれる量が少ない大型魚で、入荷も少なく高価だそうです。
絶滅危急種なので、それこそ激レアでしょう。
食味レビューはこちらでどうぞ。
英語名はGreen humphead parrotfish
Greenは緑の、humpheadは頭にコブがある、parrotfishはブダイ科のお魚になります。やはり特徴は頭のコブですね。
中国語名は驼峰大鹦嘴鱼
驼峰大鹦嘴鱼(tuó fēng dà yīng zuǐ yú)と読みます。直訳すると驼峰はラクダのコブ、大鹦嘴鱼は大きいブダイ科のお魚となります。
頭のコブをラクダに例えているんですね。
隆头鹦嘴鱼(lóng tóu yīng zuǐ yú)とも呼ばれ、こちらは隆头が頭が突き出ている、鹦嘴鱼はブダイ科のお魚となります。
その他、色んな国での呼び名はこちらをどうぞ!
Common Names List - Bolbometopon muricatum
インド洋版もあるよ!クマドリさん
和名 | クマドリ |
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学名 | Balistapus undulatus |
分類 | フグ目 - モンガラカワハギ科 - クマドリ属 |
分布 | 南日本の太平洋、八丈島、琉球列島;インド・太平洋 |
生息環境 | 珊瑚礁域に生息。礁池や礁斜面などの浅所に見られ、単独で行動する。尾柄の暗色斑の中に6つの小棘がある。 |
体長 | 最大30cm、一般26cm |
その他 | 尾柄の暗色斑の中に6つの小棘がある。雄は口を通る縦帯を除き、頭部の大部分には斑紋がない。体の地色は雌雄とも緑色。 |
和名の由来は?
クマドリといえば歌舞伎ですよね。ご想像の通り、体の模様が歌舞伎の隈取のような模様ということが和名の由来となっています。本種1種でクマドリ属を構成します。
歌舞伎の隈取りといえば、顔のこの模様ですよね。
歌舞伎の隈取の種類と意味をイラストで紹介!メイクのやり方も解説 | 歌舞伎の達人
でも、雄のクマドリさんは最初のイラストの通りで、口を通る線以外の線が顔にはありません。歌舞伎の隈取りの様な模様が顔にあるのは、雌のクマドリさんになります。
ちなみに隈取とは、歌舞伎の化粧法の一つで、顔の血管や筋肉を誇張するために描かれたもので、役柄により、施される色や形状が異なるとのことです。
インド洋バージョンがある
これまで紹介したお魚にもインド洋版があるお魚がいました。背鰭の先端の形状が違うというのが、見分け方でした(これまでの記事ではワヌケヤッコ、タテジマキンチャクダイがそうでした)。
クマドリさんはというと、尾鰭の付け根の黒斑の模様が違います。
インド洋版クマドリさんは尾鰭の黒斑が大きめの楕円ではなく、黒い二本線になっています。
クマドリモンガラとも呼ばれます
アクアリストや釣り人の間では、クマドリモンガラとも呼ばれます。
体色がきれいなので飼育されますが、モンガラカワハギ科のお魚なので、歯が強く他のお魚を傷つけてしまう可能性もあるので、単独の水槽で飼育するのがいいそうです。
甲殻類、貝類、小魚のほか付着藻類も食べる雑食性です。
釣りでも釣れます
ルアーで釣れるそうですが、釣りの外道として釣れるようです。
サンゴ礁周辺の水深2~50mに生息しているので、サンゴ礁周辺を狙うと良いでしょう。
南国では食べます
普通あまり食べることはないようですが、絞めてから一晩おいて刺身にすると美味しいそうです。肝は煮つけにして頂けるようです。
詳しくはこちらから クマドリ:食味一覧
英語名はOrange-lined triggerfish
Orange-linedはオレンジの線が入った、triggerfishはモンガラカワハギ科のお魚を指します。英語も特徴のあるラインが名前の由来になっているようです。
中国語名は波纹钩鳞鲀
波纹钩鳞鲀(bō wén gōu lín tún)と読みます。波纹は波模様の、钩鳞鲀はモンガラカワハギ 科のお魚(直訳:鍵のような鱗のあるフグ)になります。
中国語だと波模様になっちゃうんですね。
その他、色んな国での呼び名はこちらをどうぞ!
Common Names List - Balistapus undulatus
オスは尾鰭の先端が長い、ミヤコテングハギさん
和名 | ミヤコテングハギ |
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学名 | Naso lituratus |
分類 | スズキ目 - ニザダイ亜目 - ニザダイ科 - テングハギ属 |
分布 | 南日本の太平洋岸、琉球列島、小笠原諸島;中・西部太平洋の熱帯域 |
生息環境 | サンゴ礁域に生息。礁斜面など比較的浅所に多い。単独で見られる。 |
体長 | 最大46cm |
その他 | 尾部の骨質板が橙色に彩られるので、容易に判別できる。成魚、幼魚とも、背鰭の外縁に白い縁取りがあることも特徴。 |
和名の由来は?
ミヤコテングハギは漢字で書くと、「都天狗剥」「宮古天狗剥」で、おそらくカラーリングが派手なのでミヤコ(都)、或いは宮古島が由来と考えられています。
テングハギという名前の由来は、皮を剥いで料理するかわはぎ(皮剥ぎ)の一つで、目の前に天狗を思わせる突起がついているのが名前の由来と言われています。
ちなみにお魚のカワハギさんはフグ目カワハギ科なので、種類が違います。
ここで注意したいのが、実はミヤコテングハギ自体は頭部の突起がありません。
かつてインド洋に分布するNaso elegans種(和名なし)が、ミヤコテングハギの地域変異とされていましたが、研究の結果、別種とされました。
確かに結構似ています。
幼魚時代はちょっと違う
幼魚時代の写真をいろいろみていたら、成魚ほど顔や鰭のカラーリングがはっきりしていませんが、ボディーに白いマダラな斑点があるようです。
写真の上が成魚で、下が幼魚になります。
Naso Tang: Saltwater Aquarium Fish for Marine Aquariums
また、成魚のオスと雌では尾鰭の形が異なり、雄はイラストの通り、尾鰭の先端が長く延びるのに対し、雌は先端が伸びていません。
骨質板があります
ニザダイ科のお魚は尾柄の両側の溝に畳んで収納可能な1本の棘(クロハギ属、サザナミハギ属、ナンヨウハギ属、ヒレガハギ属)か固着性の3~6個(ニザダイ属)または1~2個(テングハギ属)の骨質板ががあります。いずれも尖っている方が頭の方向を向いています。
ミヤコテングハギさんは尾鰭の柄のオレンジ部分に骨質板が左右に2つづつあります。
飼育されます
カラーリングがきれいなので、飼育もされます。藻類が主食です。
沖縄では食べるみたいです
釣りで釣れることもあるようです。非常に美味とされ、沖縄では食用にされます。
刺身、みそ汁、煮つけ、唐揚げ、フライ、ソテーで食べるのがいいようです。
詳しくはこちらのサイトにて。
英語名はOrangespine unicornfish
Orangespineはオレンジの背骨・脊柱、unicornfishは目の上にユニコーンの角の様な突起があるテングハギを指します。
中国語名は黑背鼻鱼
黑背鼻鱼(hēi bèi bí yú)「直訳:背が黒いテングハギ」。英語にも日本語にも寄っていない独自のネーミングです。
その他、天狗倒吊(tiān gǒu dào diào)「直訳:テングのニザダイ」、颊纹双板盾尾鱼(jiá wén shuāng bǎn dùn wěi yú)「直訳:頬に模様がある、尾鰭に2つの骨質板がある魚」とも呼ばれます。
その他、色んな国での呼び名はこちらをどうぞ!
Common Names List - Naso lituratus
大型魚を先導する?コガネシマアジさん
和名 | コガネシマアジ |
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学名 | Gnathanodon speciosus |
分類 | スズキ目 - スズキ亜目 - アジ科 - Caranginae - コガネシマアジ属 |
分布 | 南日本の太平洋岸、琉球列島;インド・汎太平洋 |
生息環境 | 内湾の下層域、サンゴ礁域に生息。 |
体長 | 最大120cm、一般75cm、最大15kg |
その他 | 成魚は銀色で、10本前後の幅の狭い黒色横帯をもつが、成長すると不明瞭になり、体側に黒斑が現れる。幼魚の地色は黄金色で細い明瞭な黒色横帯がある。大型魚につくことも多く、パイロットフィッシュとも呼ばれる。 |
和名の由来は?
コガネシマアジさんは漢字で書くと「黄金縞鯵」。特に幼魚時代は名前の通り、黄金に輝くボディーに黒の縞模様があります。
成魚になるにつれ、背鰭、臀鰭、尾鰭以外の体色は黄金色から銀色に変わり、縞模様が薄くなってきます。
昼間に活動し、たまに小魚なども食べますが、甲殻類や貝類などが主食で、口を伸ばして底を掘り、砂ごと吸い込むようにして食べます。
大型魚を先導する?
稚魚の時代はクラゲ、幼魚はハタ、サメなどの大きな魚と一緒に泳いで生活しています。特に幼魚は大型の魚を先導するようにして泳いでいるため、パイロットフィッシュ(水先案内の魚)と呼ばれます。たまにダイバーについて泳ぐ奴もいるみたいです。
クラゲは触手を持っていますので毒があります。稚魚がどうしてクラゲに刺されないのか不思議ですが、他の魚に食べられないようにクラゲと一緒に行動しているようです。
クマノミがイソギンチャクと一緒に生活するのと同じような感じですね。
幼魚も一緒で大きなお魚と一緒に泳ぐことで身を守っています。
成魚になると底性の生活をおくるようになり、単独か小さな群れで生活するようになります。
パイロットフィッシュには別の意味もある
ちなみに、アクアリストの中でパイロットフィッシュというと別の意味になり、Wikipediaによると下記ように書かれています。
「熱帯魚などを水槽で飼育する際、先に水槽で飼育して目的の魚に適した環境を作り上げるために利用する魚。」
飼育もされます
幼魚時代は黄金に黒ストライプで体色がきれいなためショップでも販売しているところもあるみたいです。しかし、成魚は1m以上になるので、かなり気合が必要になりそうですが、飼育する人もいるようです。飼育法については、こちらをどうぞ。
釣れるし食べれます
コガネシマアジ専門で説明されているところは見つからなかったですが、釣りの方法はフカセ釣りで釣れるようです。
ぼうずコンニャクさんのサイトによると、お味は非常に美味とのこと。
食べ方は刺身などの生食、煮つけ、味噌汁、塩焼き、みそ漬、フライなど様々な調理法で美味しくいただけるようです。
英語名はGolden trevally
Goldenは黄金のtrevallyはギンガメアジ属の魚になります。シマシマの部分は英語だと省略されてますね。
中国語は黄鹂无齿鲹
黄鹂无齿鲹(huáng lí wú chǐ shēn)とよみます。
黄鹂はコウライウグイスという黄色と黒のカラーリングのウグイス。鳥のカラーリングと似ているので、名前に用いられたのでしょうね。
无齿は歯がないということで、Wikipediaによると「口は特徴的で、肉質で伸縮性がある。鋤骨・舌がなく、90mm以上の個体では顎に歯がない。」ということで、やっぱり歯がないことから来ています。
鲹は読んで字の如くアジですね。
その他英語と同じの意味で、黄金鲹(huáng jīn shēn)とも呼ばれます。
その他、色んな国での呼び名はこちらをどうぞ!
Common Names List - Gnathanodon speciosus
インド洋固有種!パウダーブルーサージョンフィッシュさん
通称 | パウダーブルーサージョンフィッシュ |
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学名 | Acanthurus leucosternon |
分類 | スズキ目 - ニザダイ亜目 - ニザダイ科 - ニザダイ亜科 - クロハギ属 |
分布 | 【インド洋固有種】インド洋:アフリカ東部からアンダマン海、インドネシア南西部、クリスマス島。 範囲は西太平洋のインドネシアのバリ島まで。 |
生息環境 | 水深25m辺りまでの沿岸の浅い岩礁域や珊瑚礁域などに生息していて、主に藻類を食べる。普段は単独で見られ、縄張りをもった生活をしているが、藻類など、食べ物が多いところでは、時に大きな群れをつくることもある。また、繁殖はペアで行われると言われている。 |
体長 | 一般19cm、最大54cm |
その他 | 体は楕円形で強く側扁し、尾柄には二ザダイに見られる棘がある |
パウダーブルーって、どんな色よ?
ブルーの体に黒い頭とおちょぼ口、そして黄色い背鰭が特徴のパウダーブルーさージョンフィッシュさん。名前にパウダーブルーとありますが、パウダーブルーってどんな色なんだろ?と思って調べてみました。
そしたら英語のWikipediaがヒット。どうやらパステルカラーに近い水色みたいな色のようです。
実際のパウダーブルーサージョンフィッシュさんの色はもっと濃い青なのに?
仮にブルーサージョンフィッシュだとナンヨウハギと被るから??
ナンヨウハギさんに気を遣ってパウダーブルーなのかなと、勝手に納得してみます😁
インド洋固有種なんです
私はタイのシミラングルーズでパウダーさんをみました。
モルディブではパウダー玉と言われるほどの大群が見れる場所があるようです。
モルディブは中国からだと日本経由しないといけないし、値段も高いのでまだ行けておりませんが、いつかは行ってみたいものです。
ニザダイの仲間なので棘があります
ニザダイ科のお魚は尾柄の両側の溝に畳んで収納可能な1本の棘(クロハギ属、サザナミハギ属、ナンヨウハギ属、ヒレガハギ属)か固着性の3~6個(ニザダイ属)または1~2個(テングハギ属)の骨質板ががあります。いずれも尖っている方が頭の方向を向いています。
パウダーさんはというと尾柄部の黄色いところに棘があります。
アクアリストにも好まれます
とてもきれいな色なので、観賞用として飼育もされます。
自然界では水温28〜23℃の熱帯域に住んでいるので、それぐらいの水温が好ましいでしょう。
藻類が主食なので、水槽のお掃除には一役買ってくれるかもしれません。
また、ニザダイの仲間は喧嘩っ早いので混泳は気をつけましょうね。
詳しい飼育方法は、こちらをご参考ください。
英語名はPowderblue surgeonfish
冒頭で触れましたが、Powderblueはパステルカラーのような淡い青色で、surgeonfishは直訳すると外科医の魚(意味はニザダイの仲間)となります。
ニザダイ科の魚は尾柄部にある棘や骨質板をナイフに例えて、surgeonfishと呼ばれます。
中国語名は白胸刺尾鱼
白胸刺尾鱼(bái xiōng cì wěi yú)は読んで字の如く、白い胸の尾鰭にトゲを持つ魚です。
その他、粉蓝倒吊(fěn lán dào diào)略して粉吊。直訳:パウダーブルーの逆さに吊るされたやつとも呼ばれます。どうして逆さに吊るされたやつ?
調べてみました!
調べたら出てきました。どうして逆さに吊るされたやつなのか、謎解明です。
この理由がまた面白いのですが、漁師さんの経験にまつわるお話から来ています。
漁師さんが漁網を引き揚げたところ、他のお魚は網を伝って滑り落ちてくるのに対し、ニザダイの仲間はその後自慢の棘が網に引っかかり、逆さまに吊るされ干物のように見えた。ということから、その状態を面白おかしく倒吊鱼(逆さまに吊るされた魚)と呼ぶようになったというのが由来だそうです。
実に面白い。
その他、色んな国での呼び名はこちらをどうぞ!
Common Names List - Acanthurus leucosternon
【祝】にほんブログ村でダイビング部門で週間PVが1位!
めっちゃ嬉しいです!だって、週間PVがダイビング部門で1位になったんですから!
これまでずっと5位から2位辺りをウロウロしていたのですが、悲願の1位!(T_T)
今後も日々精進して参る所存であります。
これもひとえに、お魚や海が好きな皆様のおかげであると思っております。
お魚グッズやイラスト素材の方も力を入れていきたいと思っておりますので、ブログもろとも是非是非ご贔屓のほどよろしくお願いいたします。
読者の皆様いつもありがとうございます!
ダイバーにも、釣り人にも人気!ロウニンアジさん
和名 | ロウニンアジ |
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学名 | Caranx ignobilis |
分類 | スズキ目 - スズキ亜目 - アジ科 - ギンガメアジ属 |
分布 | 南日本、琉球列島;インド・太平洋 |
生息環境 | 内湾、サンゴ礁域、岩礁域に生息。 |
体長 | 一般100cm、最大170cm、最大体重80kg |
その他 | 体高が高く、額が突出し、眼と口の間の距離が長い。パラオのペリリュー島は大群が見られることで有名。小型の個体は群れるが、1m近い大きな個体は単独で見られ、背中に銀色の短い横線が出る。 |
和名の由来は?
ロウニンアジさんは漢字で書くと「浪人鯵」とかきます。
「浪人」とは辞書によると下記の通り。
ろうにん〔ラウ〕【浪人】
[名](スル)
- 古代、本籍地を離れ、他国を流浪している者。浮浪人。
- (「牢人」とも書く)中世・近世、主家を自ら去ったり、あるいは失ったりした武士。江戸時代には幕府の大名取りつぶし政策などにより著しく増加し、政治・社会問題となった。浪士。
- 入学試験や入社試験に不合格となり、入学や就職ができないでいる人。また、職を失って、きまった職のない人。「一年浪人して志望校を目ざす
では、どうして「浪人」と呼ばれるのかと言うと、
- ロウニンアジさんは大きくなると群れを作らず、単独で泳いでいることが多い
- 侍のように堂々としている
- 鰓蓋のところに傷がありまるで侍
などいろいろな説があります。
ちなみにダイビングでは、群れに遭遇しますが、その姿は圧巻です。
シガテラ毒があります!
シガテラ毒がある魚はたくさんいますが、そもそも餌とする物に毒が含まれているので、その魚も毒を持つということになります。
熱帯域の大型のものはシガテラ毒をもつことがあり注意が必要です。
でも、食べられます!
体重4-5kg程度の個体は美味しいとされますが、食用として流通する場合、30㎝以上あると販売中止の指導がなされているようです。
したがって、食べる時は小さいものを自己責任で!
食味レビューで有名なボウズコンニャクさんによりますと、脂がのるので旬は秋から冬と思われると言うことです。
食べ方は、生食(刺身、セビチェ)、焼く(塩焼き)、煮る(煮つけ)、汁(みそ汁)、揚げる(唐揚げ)、ソテー(バター)などがおすすめのようです。
英語名は皆さんご存知!
ロウニンアジさんは、皆さんご存知!英語でGT(Giant trevally)です。
意味は巨大なギンガメアジ属の魚!
中国語はそのまま!
中国語もそのままで、浪人鲹(làng rén shēn)です。
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Common Names List - Caranx ignobilis
和名の由来は不格好だから?ブダイさん
和名 | ブダイ |
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学名 | Calotomus japonicus |
分類 | スズキ目 - ベラ亜目 - ブダイ科 - ブダイ属 |
分布 | 隠岐諸島、南日本の太平洋岸、琉球列島、小笠原諸島;朝鮮半島、中国 |
生息環境 | 岩礁域に生息し、ガラ藻場やガレ場に見られる。10m以浅に多い。伊豆では普通種。 |
体長 | 最大39cm |
その他 | 体高は体の前方が高い。尾鰭は円形。雄相の頬に不規則な赤色斑がある。雌相は茶褐色だが赤色の強い個体も多い。 |
和名の由来は?
ブダイの名前の由来はいくつかあるようで、下記の説があると言われています。
- 身体が鎧を着た武士のようなので「武鯛」
- ヒラヒラと舞うように泳ぐ姿から「舞鯛」
- 鯛に比べて不格好ということで「醜鯛」もしくは「不鯛」
個人的には 不格好なのでブダイじゃないかなぁ?と思っています。
不格好のブダイ
体色や歯をみていくと、なおさら「醜鯛」じゃないかと思えてきます。
何色とも言えない体色
南国に住むブダイ科の魚は色鮮やかな魚が多いのですが、本家本元ブダイさんにおいては、カラフルとは言い難い何色とも言えない感じです。
大きな鱗で覆われた魚体は、赤、橙、淡緑色、褐色などの色がまばらに配置されています。
オスは全体的に暗い緑褐色で、頭部や尾ビレが赤く、メスは濃淡のある赤褐色となります。体色変異もあるようです。
よく見えるときもい歯
ブダイ科のお魚は歯が癒合して、嘴のようになっている種が多いのですが、ブダイさんの癒合は不完全。
米粒みたいな細かい歯が集合して嘴状になっています。口元のこのヘンテコな歯だけではなく、上咽頭骨と下咽頭骨部にも歯を持つという特徴あります。
Wikipediaより画像をお借りしました。
こんな感じの歯磨きがとてもしづらそうな歯です。
↓ご参考までに、こちらはナンヨウブダイの歯
そして性転換します!
もはや魚の世界では珍しくない性転換ですが、ブダイさんはと言うと、子供の頃から雄で、雄として成熟する一次雄。子供の頃は雌で大きくなって雌に性転換する二次雄の2種類の雄が存在するそうです。
性転換してオスになった二次雄は、体色が緑がかり、頬部に不規則な赤斑紋が現れるとこのこと。
一生雄のやつもいるんですねぇ。
釣り方は夏と冬で違うみたい
磯釣りや岩礁底の堤防からねらうといいようです。夏はカニなどをエサにしたブッコミ釣り、冬は専用の「ブダイウキ」とハバノリのエサを使ったウキ釣りが主流だそうです。
仕掛けなどについては、こちらをご参考ください。
旬は藻類を餌にしている冬
ぼうずコンニャクさんのサイトによると、暖かい時期はときに磯臭さがあって、寒い時期には臭みがなく脂がのっていて身にはりがある。これはブダイの食べるものに関係していて、夏は甲殻類などをメインに捕食し、冬は藻類を好むので、冬は臭みがなくなるということなんですね。
煮る、汁、蒸しもの、揚げる、刺身、焼く、ソテーなどいろいろん調理法でいただけるようです。詳しくは↓のぼうずコンニャクさんのさいとにて。
英語名はJapanese parrotfish
Japaneseは日本の、parrotfishはブダイ科のお魚になります。Parrotが鳥のオウムと言う意味なのですが、これは歯がクチバシのように見えるからそのように呼ばれます。
中国語名は日本绚鹦嘴鱼
日本绚鹦嘴鱼(rì běn xuàn yīng zuǐ yú)ということで、直訳すると「日本の鮮やかなオウムのクチバシ魚」。おそらく英語のparrotfishの中国語が绚鹦嘴鱼となりますので、英語も日本語も変わらない意味になります。
その他、色んな国での呼び名はこちらをどうぞ!
Common Names List - Calotomus japonicus
釣り人の間では通称オナガ!クロメジナさん
和名 | クロメジナ |
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学名 | Girella leonina |
分類 | スズキ目 - スズキ亜目 - メジナ科- メジナ属 |
分布 | 南日本の太平洋岸、琉球列島;済州島、台湾、香港 |
生息環境 | 沿岸岩礁域に生息。 |
体長 | 一般30〜40cm、最大70cm程 |
その他 | メジナに似るが、鰓蓋が黒く縁取られることが特徴。 |
和名の由来は?
メジナの由来は「眼近魚:メジカナ」が転じたと言われています。 メジカとは眼の位置が他の魚に比べて特に口に近いものを指す呼称です。 本マグロの若魚をメジと呼ぶのも同じ意味だそうです。
漢字では目(眼)近魚、眼仁奈、目品と書くようです。
メジナより全体的に黒いので、クロメジナになったと言われています。
メジナと似てる
同属種のメジナとは、鰓蓋の縁がはっきりと黒いこと、鋭い歯を持っていること、尾鰭の上下葉が長く中央が少し凹むようにカーブすることで区別できます。
釣り人の愛称であるオナガメジナは「尾長」に由来し、メジナよりも尾鰭が長いことが由来となっています。
生息域も微妙に違う
太平洋側の生息域はメジナと同じ房総半島~鹿児島県ですが、メジナの日本海側の生息域が新潟県以南なのに対し、クロメジナとオキナメジナは九州以南で少し南よりになります。また、沖縄を飛ばして台湾やその付近の中国沿岸も分布域に入ります。
沖縄を飛ばして生息する魚はメジナ以外にもいるそうで、琉球列島の西側を流れる黒潮が、分布の拡大を阻んだのではないかと言われています。
産卵期も違う
クロメジナの産卵期は11月~12月頃で、一方メジナは2月頃~6月頃が産卵期です。
基本的には群れを作って生活し、外洋に面した潮通しのよい磯に多く生息しています。
食性は季節によって異なり、夏は甲殻類などを好み、冬は海藻を食べる傾向があります。また、メジナよりもクロメジナのほうが肉食性が強いようです。
歯並びも違う
調べた中で生態について一番詳しかったのが、下記のサイトでした。
メジナは歯が3列に並んでいるのに対し、クロメジナは1列。クロメジナは歯の接点が歯先の一点に集中するので、クロメジナの歯がニッパーだとすれば、メジナはペンチなんだそうです。
メジナの仲間に共通する特徴は歯で、先端が鍬のように三つ叉に分かれた三尖頭歯(さんせんとうし)を持っている。この歯は海藻を刈り取りながら食べるのに適しているそうです。
釣り方はウキフカセで
一年を通して釣れるようですが、春先から初夏が最盛期です。
ウキフカセ好きの格言で「クチブトメジナ(メジナ)は根を釣れ、オナガメジナ(クロメジナ)は潮を釣れ」というのがあるようです。
クロメジナはメジナよりも沖の方にいることから、沖メジナとも呼ばれます。
仕掛けに関してはこちらが詳しかったので、参考にどうぞ。
食べ頃は冬
一番脂が乗っている旬はメジナとは逆に水温が高い初夏から秋になります。
メジナ同様に塩焼きや煮付けなど様々な料理に向いているようです。
一番のおすすめは「磯の上で釣りたてを刺身にして食べる」だそうです。釣りたてをしっかりと血抜きし、三枚におろして刺身にするだけ!
シンプルにお塩だけでもよし、お醤油をかけて食べてもよし!
その他、いろいろな食べ方についてはこちらをどうぞ。
英語名はSmallscale blackfish
Smallscleは小縮尺の、blackfishは黒い魚となります。
その他、Blackfish(黒い魚)、Nibbler、Rudderfish(NibblerとRudderfish英国領の島であるバミューダやフロリダ州の周辺に生息するメジナ)とも呼ばれます。
中国語名は小鱗瓜子鱲
大陸の方が生息地に入っていないからか、大陸での名前は見つかりませんでした。
台湾では、小鱗瓜子鱲(xiǎo lín guā zǐ liè)と呼ばれ、小鱗(小さい鱗の)瓜子鱲(メジナの仲間)と言う意味になります。ちなみに瓜子はスイカやカボチャ、ひまわりの種などを干して加工した食べ物のことを指します。体の形がずんぐりむっくりで、瓜子の形と似ているからだと思います。
その他、色んな国での呼び名はこちらをどうぞ!
Common Names List - Girella leonina