釣り人の間では通称オナガ!クロメジナさん
和名 | クロメジナ |
---|---|
学名 | Girella leonina |
分類 | スズキ目 - スズキ亜目 - メジナ科- メジナ属 |
分布 | 南日本の太平洋岸、琉球列島;済州島、台湾、香港 |
生息環境 | 沿岸岩礁域に生息。 |
体長 | 一般30〜40cm、最大70cm程 |
その他 | メジナに似るが、鰓蓋が黒く縁取られることが特徴。 |
和名の由来は?
メジナの由来は「眼近魚:メジカナ」が転じたと言われています。 メジカとは眼の位置が他の魚に比べて特に口に近いものを指す呼称です。 本マグロの若魚をメジと呼ぶのも同じ意味だそうです。
漢字では目(眼)近魚、眼仁奈、目品と書くようです。
メジナより全体的に黒いので、クロメジナになったと言われています。
メジナと似てる
同属種のメジナとは、鰓蓋の縁がはっきりと黒いこと、鋭い歯を持っていること、尾鰭の上下葉が長く中央が少し凹むようにカーブすることで区別できます。
釣り人の愛称であるオナガメジナは「尾長」に由来し、メジナよりも尾鰭が長いことが由来となっています。
生息域も微妙に違う
太平洋側の生息域はメジナと同じ房総半島~鹿児島県ですが、メジナの日本海側の生息域が新潟県以南なのに対し、クロメジナとオキナメジナは九州以南で少し南よりになります。また、沖縄を飛ばして台湾やその付近の中国沿岸も分布域に入ります。
沖縄を飛ばして生息する魚はメジナ以外にもいるそうで、琉球列島の西側を流れる黒潮が、分布の拡大を阻んだのではないかと言われています。
産卵期も違う
クロメジナの産卵期は11月~12月頃で、一方メジナは2月頃~6月頃が産卵期です。
基本的には群れを作って生活し、外洋に面した潮通しのよい磯に多く生息しています。
食性は季節によって異なり、夏は甲殻類などを好み、冬は海藻を食べる傾向があります。また、メジナよりもクロメジナのほうが肉食性が強いようです。
歯並びも違う
調べた中で生態について一番詳しかったのが、下記のサイトでした。
メジナは歯が3列に並んでいるのに対し、クロメジナは1列。クロメジナは歯の接点が歯先の一点に集中するので、クロメジナの歯がニッパーだとすれば、メジナはペンチなんだそうです。
メジナの仲間に共通する特徴は歯で、先端が鍬のように三つ叉に分かれた三尖頭歯(さんせんとうし)を持っている。この歯は海藻を刈り取りながら食べるのに適しているそうです。
釣り方はウキフカセで
一年を通して釣れるようですが、春先から初夏が最盛期です。
ウキフカセ好きの格言で「クチブトメジナ(メジナ)は根を釣れ、オナガメジナ(クロメジナ)は潮を釣れ」というのがあるようです。
クロメジナはメジナよりも沖の方にいることから、沖メジナとも呼ばれます。
仕掛けに関してはこちらが詳しかったので、参考にどうぞ。
食べ頃は冬
一番脂が乗っている旬はメジナとは逆に水温が高い初夏から秋になります。
メジナ同様に塩焼きや煮付けなど様々な料理に向いているようです。
一番のおすすめは「磯の上で釣りたてを刺身にして食べる」だそうです。釣りたてをしっかりと血抜きし、三枚におろして刺身にするだけ!
シンプルにお塩だけでもよし、お醤油をかけて食べてもよし!
その他、いろいろな食べ方についてはこちらをどうぞ。
英語名はSmallscale blackfish
Smallscleは小縮尺の、blackfishは黒い魚となります。
その他、Blackfish(黒い魚)、Nibbler、Rudderfish(NibblerとRudderfish英国領の島であるバミューダやフロリダ州の周辺に生息するメジナ)とも呼ばれます。
中国語名は小鱗瓜子鱲
大陸の方が生息地に入っていないからか、大陸での名前は見つかりませんでした。
台湾では、小鱗瓜子鱲(xiǎo lín guā zǐ liè)と呼ばれ、小鱗(小さい鱗の)瓜子鱲(メジナの仲間)と言う意味になります。ちなみに瓜子はスイカやカボチャ、ひまわりの種などを干して加工した食べ物のことを指します。体の形がずんぐりむっくりで、瓜子の形と似ているからだと思います。
その他、色んな国での呼び名はこちらをどうぞ!
Common Names List - Girella leonina