Marine Life Log

海で見た魚をイラストで綴る、海の生き物ログ

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インド洋版もあるよ!クマドリさん

クマドリ

和名 クマドリ
学名 Balistapus undulatus
分類 フグ目 - モンガラカワハギ科 - クマドリ属
分布 南日本の太平洋、八丈島琉球列島;インド・太平洋
生息環境 珊瑚礁域に生息。礁池や礁斜面などの浅所に見られ、単独で行動する。尾柄の暗色斑の中に6つの小棘がある。
体長 最大30cm、一般26cm
その他 尾柄の暗色斑の中に6つの小棘がある。雄は口を通る縦帯を除き、頭部の大部分には斑紋がない。体の地色は雌雄とも緑色。
山溪ハンディ図鑑 改訂版 日本の海水魚
 

和名の由来は?

クマドリといえば歌舞伎ですよね。ご想像の通り、体の模様が歌舞伎の隈取のような模様ということが和名の由来となっています。本種1種でクマドリ属を構成します。

歌舞伎の隈取りといえば、顔のこの模様ですよね。

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歌舞伎の隈取の種類と意味をイラストで紹介!メイクのやり方も解説 | 歌舞伎の達人

でも、雄のクマドリさんは最初のイラストの通りで、口を通る線以外の線が顔にはありません。歌舞伎の隈取りの様な模様が顔にあるのは、雌のクマドリさんになります。

ちなみに隈取とは、歌舞伎の化粧法の一つで、顔の血管や筋肉を誇張するために描かれたもので、役柄により、施される色や形状が異なるとのことです。

インド洋バージョンがある

これまで紹介したお魚にもインド洋版があるお魚がいました。背鰭の先端の形状が違うというのが、見分け方でした(これまでの記事ではワヌケヤッコ、タテジマキンチャクダイがそうでした)。

クマドリさんはというと、尾鰭の付け根の黒斑の模様が違います。

インド洋版クマドリさんは尾鰭の黒斑が大きめの楕円ではなく、黒い二本線になっています。

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インド洋版クマドリ

クマドリモンガラとも呼ばれます

アクアリストや釣り人の間では、クマドリモンガラとも呼ばれます。

体色がきれいなので飼育されますが、モンガラカワハギ科のお魚なので、歯が強く他のお魚を傷つけてしまう可能性もあるので、単独の水槽で飼育するのがいいそうです。

甲殻類、貝類、小魚のほか付着藻類も食べる雑食性です。

釣りでも釣れます

ルアーで釣れるそうですが、釣りの外道として釣れるようです。

サンゴ礁周辺の水深2~50mに生息しているので、サンゴ礁周辺を狙うと良いでしょう。

南国では食べます

普通あまり食べることはないようですが、絞めてから一晩おいて刺身にすると美味しいそうです。肝は煮つけにして頂けるようです。

詳しくはこちらから クマドリ:食味一覧

英語名はOrange-lined triggerfish

Orange-linedはオレンジの線が入った、triggerfishはモンガラカワハギ科のお魚を指します。英語も特徴のあるラインが名前の由来になっているようです。

中国語名は波纹钩鳞鲀

波纹钩鳞鲀(bō wén gōu lín tún)と読みます。波纹は波模様の、钩鳞鲀はモンガラカワハギ 科のお魚(直訳:鍵のような鱗のあるフグ)になります。

中国語だと波模様になっちゃうんですね。

その他、色んな国での呼び名はこちらをどうぞ!
Common Names List - Balistapus undulatus