実は絶滅危急種!カンムリブダイさん
和名 | カンムリブダイ |
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学名 | Bolbometopon muricatum |
分類 | スズキ目 - ベラ亜目 - ブダイ科 - カンムリブダイ属 |
分布 | 八重山諸島;インド・太平洋 |
生息環境 | サンゴ礁域に生息。群れをなしてサンゴ礁外縁部を泳ぐ。 |
体長 | 最大130 cm、一般70cm、最大体重46kg |
その他 | ブダイ科で生きたサンゴを食べることが知られているのは、本種のみ。群れをなしていっせいにサンゴをかじる時にはゴツゴツと音が聞こえる。ブダイ科の魚は、歯が嘴状になることが特徴。体色は雌雄、老幼差があるものが多く、雌から雄へ性転換する。主として付着藻類を市サンゴもろともかじりとる種が多く、海藻色の種もいる。 |
和名の由来は?
カンムリブダイの特徴といえば、大きく前に突き出た額。その額が冠(かんむり)の由来と言われています。
絶滅危急種です
サイズが大きくて、成長が遅く、群れでの行動は、乱獲の影響を受けやすいことを意味しています。
夜寝ている大集団を狙うスピアフィッシングや網による漁で過剰採取が行われていました。また、サンゴ礁の喪失と生息地の減少が衰退を加速させています。
各国の対応
アメリカ領サモア諸島では2001年にスキューバダイビング中のスピアフィッシングが禁止され、アメリカの領土または管理下にあるウェーク島・ジョンストン島・パルミラ環礁においては、海岸線から91mの範囲を低利用海洋保護区と定め、アメリカ国籍の人がカンムリブダイを捕獲などするには特別な許可が必要です。
また、これらの地域周辺の米国の排他的経済水域では、午後6時から午前6時まで、スキューバ器材を使用してスピアフィッシング漁を行うことが禁止されています。
パラオのカンムリブダイの個体数は現在、輸出禁止によって保護されています。
幼魚は頭が突き出てない!
成魚の体色は雌雄差がなく、薄い暗緑色です。雌の方がおでこの出っ張りが控えめで、雌から雄に性転換します。
この下は幼魚の写真なんですけど、頭が突き出てない上に体色も違います。
黒と白のゴマを振ったみたいな模様ですね。
頭をぶつけてご飯を食べる
カンムリブダイは珊瑚を食べやすくするために、頭の突き出た部分で珊瑚に激突することが知られています。これも有名ですが、海岸の珊瑚質の白い砂はカンムリブダイの排泄物なんです!
また、ご飯を食べる時以外も、雄同士が自分のテリトリーを守るために、頭をぶつけ合うことが近年わかっています。
産卵は新月とともに
新月前の早朝、満潮から下潮に変わるタイミングで一斉産卵放精を行います。
パラオが有名のようですが、雄雌合わせて数千匹集まる光景は圧巻です。(私はまだみたことないですが💦)
なぜ新月前のそのタイミングなのかというと、珊瑚の周辺は捕食者が多く、危険が多いので、産みたての卵や生まれたての稚魚を珊瑚からなるべく遠くに引き離してくれるためと考えられています。
「レック・システム」と呼ばれる求愛行動
海底近くの決まった狭い領域に雄が集まり、十匹~数百匹の雌がやってくるのを待ち、雌が近くを通ると雄は体の色を変え、雌の目の前で激しく短い求愛のダンスを始めます。
気に入った雄を見つけると、雌はその雄に近づき顔の色を白く変化させます。それが合図となり、2匹は近づき、雌は放卵し雄がそれに放精します。その後、2匹は別々の方向に泳ぎ去っていきます。
乱獲気味でレアですが食べられます
沖縄県では比較的とれる量が少ない大型魚で、入荷も少なく高価だそうです。
絶滅危急種なので、それこそ激レアでしょう。
食味レビューはこちらでどうぞ。
英語名はGreen humphead parrotfish
Greenは緑の、humpheadは頭にコブがある、parrotfishはブダイ科のお魚になります。やはり特徴は頭のコブですね。
中国語名は驼峰大鹦嘴鱼
驼峰大鹦嘴鱼(tuó fēng dà yīng zuǐ yú)と読みます。直訳すると驼峰はラクダのコブ、大鹦嘴鱼は大きいブダイ科のお魚となります。
頭のコブをラクダに例えているんですね。
隆头鹦嘴鱼(lóng tóu yīng zuǐ yú)とも呼ばれ、こちらは隆头が頭が突き出ている、鹦嘴鱼はブダイ科のお魚となります。
その他、色んな国での呼び名はこちらをどうぞ!
Common Names List - Bolbometopon muricatum