地味で人気がないが、実は美味なニザダイさん
和名 | ニザダイ |
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学名 | Prionurus scalprum |
分類 | スズキ目-ニザダイ科-ニザダイ目 |
分布 | 南日本、伊豆諸島、伊江島;朝鮮半島、台湾 |
生息環境 | 岩礁域の水深5〜10mで群れる普通種 |
体長 | 最大50cm |
その他 | 尾柄部に4〜5個の骨質板を含む黒斑がある。ニザダイ科としては最も高緯度に分布している種類。 |
名前の由来は?
漢字で書くと仁座鯛、名前の由来は「にざ」は「にいせ」「にせ」から転訛。
古語の世界では愛しい男性や夫のことを「背(せ)」と表現し、新しく大人の仲間入りをした若者を新背(にいせ)と言うようです。
ニザダイは「青二才の鯛」もしくは「鯛仲間の端くれ」の意味なんだそうです。
またの名を「サンノジ(三の字)」といい、尾柄部の骨質板を含む黒斑のうち3つが特に目立つので、そう呼ばれるようです。
ニザダイ科といえば骨質板
ニザダイ科のお魚は尾柄の両側の溝に畳んで収納可能な1本の棘(クロハギ属、サザナミハギ属、ナンヨウハギ属、ヒレガハギ属)か固着性の3~6個(ニザダイ属)または1~2個(テングハギ属)の骨質板ががあります。いずれも尖っている方が頭の方向を向いています。
ニザダイさんはニザダイ属なのでたたむタイプではない棘が、尾鰭の付け根の尾柄部と呼ばれる部分についています。
地味で人気がないが、実は美味
灰色で地味なため、ダイビングでは注目されることがあまりないお魚です。
また、釣りにおいてもグレを釣るときの外道として釣れるので、釣りでもあまり好かれないようです。
磯臭いと言われる理由
ニザダイは食べた藻類をとても長い腸でゆっくりと発酵させながら消化する性質があり、腸内の腐敗臭(好きな人にとっては発酵臭)が身にも移ってしまっているのが磯臭くなるのが理由だそうです。
美味しく食べる方法
丁寧に水揚げして、活け締めにし、内臓などを除去すると非常においしい魚で、味は真鯛も凌ぐ味らしいです。
釣りで持ち帰る場合は、血抜きと内臓処理をしっかりしてから持ち帰りましょう。比較的冬の時期はハズレが少なく、美味しくいただけるようです。
さばき方はこちらに載っていました!
目利きや料理法はこちらに載っていました!
磯焼け対策で商品化
海藻を食べ尽くすため、磯焼けの原因となるニザダイは駆除対象にされているお魚で、磯臭さのため市場に出回ることが殆どありません。
過去にくら寿司がキャベツウニにヒントを得て、一定期間キャベツを餌として育て、臭みの除去に成功し期間限定で商品化したことがありました。
SDGsの取り組みの一環としても、非常にいいことなんじゃないかなと思います。
英語名はScalpel sawtail
Scalpelは医療用のメス、sawはのこぎり、tailはしっぽの意味で、ニザダイ特有の骨質版から名付けられてることが分かりますね。
中国語名は三棘多板盾尾鱼
三棘多板盾尾鱼(sān jí duō bǎn dùn wěi yú)と読みます。3つの棘があるニザダイ属のお魚という意味になります。
その他に锯尾鲷(以下カッコ内は日本語直訳:ノコギリしっぽのタイ)黑猪哥(黒い豚のお兄さん)、黑将军(黒い将軍)、打铁婆(鉄を打つおばあさん)、剥皮仔(カワハギちゃん)
その他、色んな国での呼び名はこちらをどうぞ!
Common Names List - Prionurus scalprum