Marine Life Log

海で見た魚をイラストで綴る、海の生き物ログ

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金魚とは縁もゆかりもない!キンギョハナダイさん

キンギョハナダイ オス

和名 キンギョハナダイ
学名 Pseudanthias squamipinnis
分類 スズキ目 - スズキ亜目 - ハタ科 - ハナダイ亜科 - ナガハナダイ属
分布 南日本の太平洋岸、伊豆・小笠原諸島、福岡県、琉球列島;インド・太平洋
生息環境 岩礁域、サンゴ礁域の沿岸浅所に生息。ハナダイ亜科の中では分布域が広く、数も多い。
体長 オス/性別なしは最大15cm、メスは7cm
その他 メスの体色はどの地域でも同じだが、雄の体色には地域的変異があり、アジア、紅海、モルジブ、南太平洋で色彩が少しずつ違う。
山溪ハンディ図鑑 改訂版 日本の海水魚
 

和名の由来は

漢字で書くと金魚花鯛。色や見た目が金魚のに似ていることがキンギョハナダイの由来です。金魚はコイ科の淡水魚なので、実際は縁もゆかりもありません😓

性転換で有名な魚の一つ

キンギョハナダイはメスからオスへと性転換する事で有名な魚の一つ。オスとメスで見た目が異なり、このブログのイラストはオスになります。オスは胸ビレにピンク色の班があるのと、背鰭の第3棘が糸状に伸びるので、簡単に見分けが付きます。

小柄で金魚みたいなオレンジ色をしているのがメスです。

キンギョハナダイ メス

メスの体色はどの地域でも同じ色をしていますが、雄の体色には地域的変異があり、アジア、紅海、モルジブ、南太平洋で色彩が少しずつ違うのだそうです。

生まれてから1年ほどでメスの成体になり、群れの中で比較的大きい個体がオスになります。多数のメスとハーレムを形成します。クマノミと同じように、すべての個体が雄になるのではなく、オスが1匹いなくなると1番大きなメスがオスに性転換します。

「生活岩」の周りで生活

キンギョハナダイは特定の岩の周辺で生活し、遠くに離れることはありません。また、生活の拠点になっている岩は「生活岩」と呼ばれます。

日中は生活岩の周りの潮通しの良い場所で群れを作り、流れてくるプランクトンなどを捕食しています。夜は岩の隙間や穴に入って寝るそうです。

産卵は春から秋

春から秋の暖かい時期が産卵の期間になります。夕方頃からオスはメスに向かってU字型に泳いだりジグザグに泳いで、婚姻色に体色を変え、ヒレ全開で男らしさをアピールしてメスを誘い出します。(ちなみに、ヒレ全開にする行動を「フラッシング」といいます。)

誘われたメスとオスは、水面に向かって上昇し、メスの周りをオスが巻き付くような姿勢で放精放卵を行います。

ハナダイの仲間としては丈夫で飼育しやすい

ハナダイといえば飼育が難しく思われがちですが、ポイントを押さえれば比較的簡単なんだそうです。サンゴ水槽で問題なく飼育できるので、クマノミと一緒に泳いでいたら綺麗でしょうね。

飼育法についてはこちらが詳しいので、ご参照ください。

展示している水族館

キンギョハナダイは北は小樽水族館、南は沖縄の美ら海水族館と日本全国いろいろな水族館で展示されています。展示されている水族館の一覧は下記のJAZAのページで御覧ください。

英語名はSea goldie

Seaは海の、Goldieは金色のという意味で、直訳は「金色の海の魚」。日本語の別名が海金魚なので、由来は同じに思えます。

中国語名は丝鳍拟花鮨

「丝鳍拟花鮨(sī qí nǐ huā yì)」と読みます。「丝鳍」は細長いヒレ、「拟花鮨」はナガハナダイ属のお魚の意味になります。

その他、英語や日本語と同じで色が金魚のようなので、「金」の文字を付けて「金拟花鮨(jīn nǐ huā yì)」や、細長いヒレがツバメの尾っぽのようなので、「燕尾鲈(yàn wěi lú)」とも呼ばれます。

その他、色んな国での呼び名はこちらをどうぞ!

Common Names List - Pseudanthias squamipinnis