Marine Life Log

海で見た魚をイラストで綴る、海の生き物ログ

MENU

一夫一婦制!喧嘩で棘が刺さる!トゲチョウチョウウオさん

トゲチョウチョウウオ

和名 トゲチョウチョウウオ
学名 Chaetodon auriga
分類 スズキ目 - スズキ亜目 - チョウチョウウオ科 - チョウチョウウオ
分布 山陰地方、南日本の太平洋岸、琉球列島;朝鮮半島、インド・太平洋
生息環境 岩礁域。分布域が広い普通種。ポリプ、小型イソギンチャクを主食とし、ゴカイなど小動物も食べる。
体長 最大23cm
その他 ダイバーを怖がらないので、観察も容易。背鰭軟条が糸状に伸び、1大暗色斑があることが特徴。幼魚は夏頃に伊豆にも現れるが、親になれない死滅回遊魚(冬を越せずに死滅してしまう)。チョウチョウウオ科の魚は、浮遊期の稚魚をトリクティス幼生と呼び、頭部が骨板で覆われている。本種はこの期間が比較的長く、着底直後のトリクティス幼生が、比較的容易に見られる。
山溪ハンディ図鑑 改訂版 日本の海水魚

山溪ハンディ図鑑 改訂版 日本の海水魚

  • 作者:吉野 雄輔
  • 発売日: 2018/09/17
  • メディア: 単行本
 

 和名の由来は?

成魚の背鰭後方の軟条が糸状に伸び、この伸びた部分が硬い棘であることから、トゲチョウチョウウオという名前になったそうです。

トゲチョウチョウウオは一夫一婦制なのですが、雄同士の喧嘩で、このトゲが体側の鱗に突き刺さっていることもあるみたいです。

背鰭の黒斑でカモフラージュ

本物の目は黒い帯が横切り目立たなくなっています。そして背鰭にある黒斑を目玉と見立てカモフラージュしていると言われています。

背鰭の目玉目掛けて攻撃したら、棘が刺さりそう!

襲われる側からしたら、背鰭の目玉模様を攻撃されても致命傷にはならないし、逃げ切れる隙ができるのでしょう。

種によっては幼魚時代だけ目玉模様がある魚がいますが、これも全部カモフラージュです。目玉模様で自分を実際より大きく見せる「通称カニハゼ」も自分を大きく見せてるってことですね。

紅海版は黒斑がない

カモフラージュのための黒斑ですが、インド・太平洋版にはあるのに対し、紅海版にはありません。また、体側の模様の色が濃く黒に近い色になります。

飼育もされます

比較的丈夫な種だそうです。

縄張り意識が非常に強いお魚なので、混泳はNGのようです。

英語名はThreadfin butterflyfish

Threadfinはthreadが糸・finは鰭で「長い糸のような鰭条のある鰭を持つ熱帯海産魚」のことで、butterflyfishはチョウチョウウオです。

和名同様、糸状に伸びる背鰭が名前の由来でしょうね。

中国語名は丝蝴蝶鱼

丝蝴蝶鱼(sī hú dié yú)と読みます。丝(糸状のもの)蝴蝶鱼(チョウチョウウオ)という意味になり、トゲの表現が糸になっているようです。

台湾では、揚旛蝴蝶魚(yáng fān hú dié yú)と呼ばれ、意味は揚旛(旗を揚げる)蝴蝶魚(チョウチョウウオ)となります。

その他、色んな国での呼び名はこちらをどうぞ!
Common Names List - Chaetodon auriga