釣り人にはレンコダイと呼ばれる、キダイさん
和名 | キダイ |
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学名 | Dentex hypselosomus |
分類 | スズキ目 - スズキ亜目 - タイ科 - キダイ属 |
分布 | 琉球列島をのぞく南日本。朝鮮半島南部、東シナ海、台湾。大陸棚縁辺域。 |
生息環境 | 水深50~200mの沖合いの砂礫底に生息する。甲殻類、多毛類、軟体動物などを食べる。 |
体長 | 最大30.6 cm |
その他 | その他 産卵期は初夏と秋の2回とされ、クロダイ属魚類のように雌雄同体の両性魚であり、雄と機能した後に雌へ性転換を行う事例が知られている。しかし、本来は雌雄異体であるという説もある。 マダイと同じような食味であるが、マダイよりも安価であるため、正月でのお頭付きのタイの塩焼きとして代用されていることも多い。 |
和名の由来
キダイは漢字で書くと「黄鯛」で、目から鼻孔・上顎にかけてが黄色であり、体側背部に黄色斑が3つあることが由来となっています。マダイのような体側の青い小斑点はありません。
また、レンコダイは漢字で書くと「連子鯛」で、延縄で次々と連なって漁獲される様に由来しています。
性転換します
キダイは機能的な雌雄同体で、雌から雄への性転換を行うことが知られています。
しかし、性成熟に達する満3才で、約20%の雌が存在しているそうです。キダイの精巣は未熟な卵巣が精巣へと転換するそうで、機能的な雌雄同体とされるキダイにおいても、マダイやチダイのような幼時雌雄同体性が見られるということです。
臼歯がありません
マダイには臼歯があると先日の記事でお伝えしましたが、キダイ及びその近縁種の歯は全て円錐状に尖り、臼歯がないそうです!臼歯がないことで他のタイ科のお魚特別できます。
いろんな名前で呼ばれます
生鮮魚介類として流通する場合などにはレンコダイ(連子鯛)の名称も用いられ、また、単にレンコとも呼ばれます。
釣り人や漁業関係者にはレンコダイの方が通用しやすいそうです。
このほか地方名としてハナオレダイ(九州西部・東京)、コダイ(高知・九州南部)、メンコダイ(愛媛)、バジロ(中国地方)、ベンコダイ、アカメ、ハジロ、バンジロ、メッキなどと呼ばれます。
バンジロは、漢字では「飯代」。昔は米の飯は高価であり、一度にたくさん獲れるキダイをご飯の代わりにした、というのが由来であると言われています。
沖釣りで釣れます
キダイは房総半島以南から南西諸島を除く西日本に分布しています。
キダイを狙って釣る人は少数で、マダイ、アマダイ、イトヨリダイ、ヒラメなど沖合いの底ものの外道として釣れることが多いようです。
甲殻類が好きなので、餌はオキアミや冷凍エビなどを使用しましょう。
仕掛けについては下記で詳しく紹介されていますので、どうぞ。
マダイの代用品として重宝
マダイよりもサイズが小さく、価格も安い上に、産卵前の旬の味はマダイにも匹敵するということで重宝されています。
お食い初めの鯛としても利用されます。
塩焼き、刺身、潮汁、煮つけ、唐揚げなどどんな調理法でも美味しく食べられます。
詳しい調理法などは、こちらをご覧ください。
英語名はYellowback seabream
Yellowbackは背中が黄色の、seabreamはタイ科の海水魚の意味になります。
英語でも背中が黄色いところが採用されてますね。
中国語名は黄背牙鯛
中国大陸のソースでは中国語名が見つかりませんでしたが、台湾の魚類データベースで見つかりました。読み方は、黄背牙鯛(huáng bèi yá diāo)となります。
こちらも黄背は黄色い背中の、牙鯛はキダイ属のお魚になります。