和名の由来は江戸時代の髪型?クダゴンベさん
和名 | クダゴンベ |
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学名 | Oxycirrhites typus |
分類 | スズキ目 - スズキ亜目 - ゴンベ科 - クダゴンベ属 |
分布 | 南日本の太平洋岸、琉球列島;インド・汎太平洋 |
生息環境 | 水深10m~50mのヤギ類の群体上に生息。20m以深に多い。ヤギ類やウミトサカ類の間を泳ぐ。 |
体長 | 10~13cm程 |
特徴 | 一度すみつくと一定期間はいるため、観察しやすい。大きなヤギ類には数尾つくこともある。吻が長いこと、体側の格子模様が特徴。底生性および浮遊性の小型甲殻類を食べる。小さな魚を食べるところも観察されている。 ゴンベ科の特徴として背鰭にある棘の先端に糸状突起がある。 |
和名の由来は
クダゴンベのクダは長く伸びる吻が管のようということから。
ゴンベは背鰭にある棘(きょく)の先端から、糸のようなフサフサの毛みたいな突起が生えていて、それが江戸時代の幼児の髪型である「権兵衛(盆窪)」に似ているということです。それがゴンベ科の特徴らしいのですがが、そもそも権兵衛(盆窪)って何?
ということで、はい盆窪どーぞ!
ぼん‐の‐くぼ【盆窪】
〘名〙
① 項(うなじ)の中央のくぼんだところ。ぼんのくそ。
※源平盛衰記(14C前)一三「烏帽子の尻、盆(ボン)の窪(クボ)に押入て」
② 江戸時代、生まれて六日目、または七日目の男女児の産毛を、うなじの所だけに少し残して剃落した髪形。〔随筆・守貞漫稿(1837‐53)〕
どうしてこれに例えたのか(笑)
背鰭の棘のフサフサについての働きは明らかになってないそうです。
格子模様は目立つ?
一見目立ちそうな格子模様ですが、刺胞動物のウミトサカ類やシダ類の間を泳いていると、保護色になるので意外と見つけづらいのです。
格子模様が鮮やかなのでダイバーに人気ですが、観賞用としても飼育されるようです。
群れを作らず単独でいることが多いです。
可愛い顔だが肉食です
小型の甲殻類や魚をたべるようです。でも、定期的に拒食状態が訪れるそうで、詳しくはここにまとめられています。
雌性先熟型の性転換!
このブログを始めるようになって魚を調べていると、性転換する魚が結構いることに気づきます。ゴンベ科もその一つで、ほとんどの個体は最初に雌として性成熟し、後に雄へと性転換する雌性先熟型の魚です。
英語名はLongnose hawkfish
Longnoseは鼻の長い、hawkfishはゴンベ科のお魚ということになります。
英語のhawkfishの由来は、鷹のように高い位置から獲物を注意深く見回し、素早く泳ぎ出すという行動に由来するとのことです。
中国語名は尖嘴鹰
尖嘴鹰(jiān zuǐ yīng)と読みます。尖嘴(尖った口の)鹰(タカ)という意味になり、英語のhawkfishから鷹の漢字が使われているのだと思います。
台湾では尖吻䱵(jiān wěn wēng)と呼ばれ、尖吻(尖った口の)䱵(ゴンベ科の魚)となります。
その他、色んな国での呼び名はこちらをどうぞ!
Common Names List - Oxycirrhites typus